志す夢は大きく成る

ファイターズブログ

守備のクローザーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

背番号4 飯山裕志は、通算試合出場911に対し、通算打数849打席という結果からも伺えるように、守備要員としての途中出場が主な戦場だった。

内外野をこなし、2軍戦では捕手の経験もあるユーティリティプレイヤー。

守備職人とは彼の為にあるような言葉なのかもしれない。

「一軍でプレー出来ずにチームに迷惑をかけた」と語りユニホームを脱いだのは、FA権を放棄し残留を選択した翌年のことだった。

一つの夢が叶って、そして消えた。

通算15年間、ファイターズ一筋のいぶし銀のこれまで、そしてこれからを見てみよう。

飯山裕志の夢

鹿児島県のれいめい高等学出身。

1997年ドラフト4位でファイターズへ入団。

通算成績は、打率.202、安打150、打点45、本塁打1に留まるも、守備のクローザーとして、試合数を重ねて来た。

守備率は

二塁手.990
三塁手.962
遊撃手.978
外野手.1000

とまさに守備のスペシャリスト

守備の道を貫いた果ての2017年10月3日。

9回のスリーアウト目を捌き、自らラストゲームを締め、プロ野球選手としての夢を終えた。

引退後、その背中を見ていた選手達を育てるべる、コーチとしての道を歩み、2018年から2023年まで守備走塁コーチを担当した。

しかしその背中を最も近くで見ていた男達がいた。

志す夢

2003年。飯山裕志がイースタンリーグで打率3位につけた年、長男の志夢(もとむ)が誕生した。

千葉県の中央学院高校を経て、立正大学へ進学。

俊足、強肩を活かし中堅手レギュラーとして、4年時春では盗塁数1位に輝いている。

打率も3割越えで3年時に首位打者を獲得し、4年間で2度ベストナインに選出されている走攻守3拍子揃った志夢選手は、大学代表に選出され、東都2部リーグながらスカウトの熱視線を集めるレベルとなっていた。

また、臨時コーチを務めた前読売巨人軍の高橋由伸臨時コーチも絶賛するほどだった。

父・裕志と共に戦ったかつてのファイターズ指揮官、現CBOの栗山英樹氏も視察の際に「良いものを見せてくれた」と高評価。

代表として出場した第43回プラハベースボールウィークではセンターとして活躍。

初戦のドイツ戦では初回先頭打者安打を含む4打数2安打。7-3と快勝。

次戦の台湾戦でも初回から安打を放ち、3-2の勝利に貢献した。

次の相手はWBCで一躍ときのチームとなったチェコ。ここで猛打賞を記録し、9-3と勝利。

グループAを全勝で突破し、決勝戦は再び台湾。

5打数3安打と連続猛打賞の大暴れで、5-3で優勝を果たしている。

リードオフマンとして、全試合の1打席目で全て安打を放つ偉業を成し遂げた。

2025年卒業を迎える志夢選手の動向に注目が集まる。

大きく成る夢

2006年。9年目のシーズンで初の開幕スタメンを手にした飯山裕志。

この年、新たに2つの夢が生まれた。

  • 飯山大夢(ひろむ)
  • 飯山成夢(なるむ)

双子の兄弟は共に、金町ジャイアンツ、荒川リトルシニアと小中学校を過ごし、高校へと進学した。

兄・大夢選手は東京都の修徳高校へ進学し、2024年7月15日に最後の夏が始まる。

日比谷戦に先発し、3回被安打1に抑え、10-0でコールド勝ち。

続く成城戦では出場はなかったものの、9-2で快勝。

小山大戦では2-2で迎えた7回からリリーフ登板。

延長10回に1点を失うもその裏に同点に追いつき、11回裏にサヨナラ勝ちをおさめた。

準々決勝は名門関東第一相手に先発し、ここで7失点と3回2/3とノックアウト。

チームも4-8で敗れてしまい、大夢投手の夏はベスト8という結果で終わった。

その頃、兄とは別の道を進んだ弟・成夢は長男である志夢選手の母校、千葉県中央学院高校で正捕手として活躍していた。

最後の夏の始まりは秀明八千代戦。5番キャッチャーで出場。

途中で後輩の佐藤選手にマスクを託すも2打数1安打と中軸の役割を果たし、13-3でコールドゲーム。

続く千葉敬愛戦はノーヒットに終わるも、そのリードで相手打線を封じて6-2で勝利した。

柏南戦では7番に打順を下げ、3打数1安打2打点で、10-0でコールド。

接戦だった千葉明徳戦。猛打賞を記録し、6-5でタイブレークを制した。

準々決勝の木更津総合戦でも安打を放つも、0-7でコールド負けを喫してしまい、成夢選手の最後の夏もまた、ベスト8で終わった。

余談だが、飯山兄弟を破った関東第一、木更津総合はそのまま地区代表として甲子園出場を決めた。

木更津総合は鹿児島代表の神村学園に敗れて1回戦敗退。関東第一は8/12(現時点では明日)が1回戦となる。

3つの夢が重なる2024年ドラフト

大学4年:志夢外野手

高校3年:大夢投手

高校3年:成夢捕手

3名のドラフトがぴったり重なる2024年のドラフト会議。

3名同時指名があれば、飯山裕志氏にとってこれほど大きな夢はないでしょう。

現状は志夢選手はファイターズ、そしてスワローズでもリストアップされているという話。

大夢投手、成夢投手は指名外、もしくは兄と同じく大学野球に進み力をつけるのか。

いずれにしても目が離せない3兄弟。

4つ目の夢

ここで話は終わらない。実は飯山兄弟には4人目がいた。4男の志汰(ここた)くん。

先の3人は父と同じ野球の道を進みながらも、外野手、投手、捕手と違う方向へと向かった。

志汰くん野球をやっているかの情報は見つけられなかったが、これから内野手として台頭してくると非常に面白いことになりそうだ。

飯山ジュニア達の未来=飯山裕志の夢。

どの球団でも構わないので、1軍の試合で父のヒッティングマーチが流れる激アツの展開を期待せずにはいられない。

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